夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

2020-06-01から1日間の記事一覧

グレート・ギャッツビー 対訳 第七章-8 弱り目にたたり目

グレート・ギャッツビー 第七章-8 オレたちは皆、エールの酔いが覚めてイライラしていたので、それを承知でしばらく黙って車を走らせていた。そして、T.J.エックルバーグ先生の色あせた目が道のかなたに見えてきたとき、オレはギャッツビーの「ガソリンにつ…

グレート・ギャッツビー 対訳 第七章-7

グレート・ギャッツビー 第七章-7 「僕の車で行きますか?」とギャッツビーが提案した。シートの熱い緑の革に触れて 「日陰に置いておけばよかった」と言った。 「標準シフトなのか?」とトムは尋ねた 「そうです」 「君はオレのクーペで行けばいい。オレは…

グレート・ギャッツビー 対訳 第七章-6 ゴールデン・ガール

グレート・ギャッツビー 第七章-6 「さあ!」 トムがキレそうになった。 「どうしたんだ?街に行くんなら、さっさと行こう」 彼の手は震えていたが、なんとかエールの最後の一口を唇に持っていった。デイジーの声に、オレたちは立ち上がって燃える砂利道に出…

グレート・ギャッツビー 対訳  第七章-5 あなたはクール

グレート・ギャッツビー 第七章-5 オレたちの目は、バラの花壇や熱い芝生、そして海岸沿いに打ち上げられた海藻に向けられた。船の白い帆がゆっくりと青く冷たい空を背景に移動していた。前方には貝のように広がる海と、美しい島々が点在していた。 「楽しそ…