夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

閑話休題

こちらに遊びにきていただいて大変にありがとうございます。

 

翻訳をしていて最近思ったことです。

 

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 グレート・ギャッツビー  第三章の最後の場面(第三章35)ですが、ジョーダンにサラッと告白されて主人公のニックがあせります。

そして、こう思います。

I knew that first I had to get myself definitely out of that tangle back home.

 

have to  〜しなければならない

get out   抜け出る 抜け出す

definitely   絶対に

tangle  もつれ

back home   家に戻って

 

上記の英文を訳すと、「オレは絶対家に戻ってもつれをほどかなければならないことを知っていた」となります。

 

と思ったら!!!違う!!!!!!

 

野崎孝先生 で、万事はまず、郷里の方の例のうるさい問題からすっかり抜け出してからの話だと思った。

小川高義先生 それにまた故郷に置いてきたしがらみを抜けなければ、如何ともしがたいのだった。

大貫三郎先生 まず第一にその縺れからきっぱりと脱け出して、本塁に還らなければいけないことは、僕も知っていた。

 

自分は、ジョーダンに突然告られてあせった主人公ニックが、家に帰って落ち着こうと思ったと考えたのですが、野崎先生、小川先生は「故郷の問題」と捉えておられます。

 

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 第一章の終わりの方(第一章49参照)に、ニックが婚約しているという噂があるという伏線があったのでした。

 

おお、そうか。。。。というわけで、ニックになりきらないといけないってことですね。結構、そういう感じで、ギャッツビーの本には、これは何を指しているんだろ?と思うことがよくあり面白いです。