夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

ヒアリングのマズさが招いたマズイ結果

今日、職場で一人クビになった。

その人は、態度が良くない上に頼んだことをやってくれないと社員から苦情が山積みだった。

上司からその人へのトレーニングの仕方が悪いと言われて、周りのスタッフが何回も丁寧に仕事を教えたんだけど効果が上がらず、今日、ついに上司が匙を投げた。

 

自分が思うに、確かに性格が雑だったということもあるけど、根本的に彼は英語のヒアリングに問題があって、他のスタッフの言うことが理解できていなかったんじゃないかと思う。自分たちが説明すると、I've got it, I've got it と言うんだけど、こちらも彼の言うことが信じられなくなって、じゃあ今説明したことを言ってみてくれる?と聞くと、何も言えなくなってた。だけど、彼は、自分はオーストラリア生まれだと言っていたので、「外国人だからヒアリングに問題があるから仕方がない」という手加減をしてもらえなくて、「性格に問題がある」と解釈されてしまった。でも、英語になまりがあるので、オーストラリア生まれというのはウソで、彼はウソをついていたんだと思う。

 

外国人が外国に住むには、文化の壁、言葉の壁が立ちはだかり、最初はツラい。不思議の国のアリスになったような、変なところに来てしまって自分がすごく場違いな感じがして、見るもの全てが不協和音を奏でているように見える。そして、一番ツラいのは自分の自尊心がすり減ってしまうこと。自分の自信がどんどん失われていってしまう。

 

今日クビになった人は自尊心がずいぶん低くなってしまっていて、自分はオーストラリア人だ、英語に問題はないんだと強がっていたんだと思う。でも、ウソはバレるんだよね。それにオーストラリアは信用社会だから、次の就職口を探すには直近の上司の推薦状がいるんだよね。次の就職は難しくなる。

 

日本人である自分も、オーストラリアに住む日本人としてみんなと同化したい気持ちはあるけど、やっぱりどこまでいっても日本人であることは否定できない。だから、隠すよりむしろ日本人であることを誇りにしていった方がいいと思う。その方が気持ちに余裕が生まれるし、気持ちに余裕ができると英語もよく聞きとれるし、スムーズにしゃべれるようにもなる。そして自分を認めて受け入れるとハッピーになれるよ。

 

変な見栄を張って人生を壊すのはあまりにもったいない。でも、周りにいる人は全部自分と同じ血の通った🩸人間、絶対に分かり合えると信じれば、世界は一瞬で変わって見える。