星の王子さま ブログで読める新訳 XXIII-1
「こんにちは」ちいさなおうじさまはいった。
「こんにちは」しょうばいにんはいった。
このしょうばいにんは、のどのかわきをいやす、くすりをうっていた。いっしゅうかんに、ひとつぶのむだけで、のみものはなにもほしくなくなるのだ。
「なにをうっておられるんですか」おうじさまは、きいた。
「このくすりのおかげで、じかんがずいぶんせつやくされるんだよ」しょうばいにんはいった。
「せんもんかが、けいさんしたんだが、まいしゅう53ぷんせつやくされることになる」
「その53ぷんでなにをするんですか?」
「なんでもすきなことさ」
おうじさまはひとりごとをいった。
「53ぷんを、すきなことにつかっていいんなら、きれいなみずがでるいどまで、たのしくゆっくりあるいていくんだけど」