夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-21 修羅場登場!😱🤯😭

グレート・ギャッツビー 第二章-21 「デイジー!デイジー!デイジー!」 ウイルソン夫人が叫んだ。 「言いたきゃいつだって言ってやるわよ。デイジー!デイ。。。」 その途端、トム・ブキャナンが平手でウイルソン夫人の鼻を鋭く叩いた。 それからバスルーム…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-20

グレート・ギャッツビー 第二章-20 彼女はマッキー夫人に向き直ると部屋中に響き渡るようなわざとらしい笑い声を立てた。 「ねえ、あなた」彼女は言った。 「着替えたらすぐにこのドレスを差し上げるわ。明日新しいドレスを買うわよ。買わなきゃいけない物全…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-19 外からの目、中からの目

グレート・ギャッツビー 第二章-19 二本目のウイスキーは、そこにいる全員が欲しがった。ただキャサリンだけは「何も飲まなくても気分良くいられる」そうで例外だった。トムは管理人に電話して有名店のサンドイッチを買いに行かせた。それは申し分ない夕食に…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-18

グレート・ギャッツビー 第二章-18 「あの人と結婚したのは、紳士だと思ったからよ」 やっと彼女が喋った。 「礼儀作法について少しは知ってると思った。でもわたしの靴を舐めるにも値しない男だったわ」 「でもしばらくはあの人に夢中だったじゃない」 キャ…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-17

グレート・ギャッツビー 第二章-17 午後もふけて、少しの間、空が窓から地中海の青い蜜のように見えた。そこへ、マッキー夫人のキンキン声がオレを部屋へ引き戻した。 「わたしももうちょっとで間違うとこだったのよ」 彼女は勢い込んで言った。 「もう少し…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-16

グレート・ギャッツビー 第二章-16 その答えは全く予期してないものだった。乱暴で下品な答えが、会話を耳にしていたマートルから返ってきたんだ。 「ほらね」 キャサリンが得意そうに言った。そしてまたヒソヒソ声で話し出した。 「トムの奥さんが邪魔して…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-15

グレート・ギャッツビー 第二章-15 「わたし、こわいわ。あんな人ににらまれたら嫌だもん」 オレの隣人に関する興味をそそる情報は、マッキー夫人が突然キャサリンを指さしたことで途切れた。 「チェスター、この娘も仕事に使えるんじゃない?」 マッキー夫…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-14

グレート・ギャッツビー 第二章-14 マッキー氏は「しっー」と言い、オレたちはまた被写体に視線を移した。そこへ、トム・ブキャナンが声を出してあくびをすると立ち上がった。 「マッキーさん、何か飲み物はどうですか。もっと氷とミネラルウォーターを出し…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-13

グレート・ギャッツビー 第二章-13 「ねえ、あなた」 彼女はきどった甲高い声で妹に呼びかけた。 「そういった連中っていつも騙すのよ。お金のことしか考えてないのね。先週、足を診てもらうために女を呼んだら、まるで盲腸の手術を済ませましたってぐらいの…

グレート・ギャッツビー  対訳 第二章-12

グレート・ギャッツビー 第二章-12 ウイルソン夫人はいつの間にかクリーム色の手の込んだ薄手のアフタヌーンドレスに着替えていて、部屋を歩くとサラサラと音を立てた。着るものが変わると性格もガラリと変わった。ガレージで見た強いバイタリティは、今や驚…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-11

グレート・ギャッツビー 第二章-11 マッキー氏は階下に住んでいる青白いなよなよした感じの男だった。ここに来るためにヒゲを剃ったばかりのようで、ほおに石鹸の泡をつけ、部屋にいる誰もに一番丁寧に挨拶して回った。オレには芸術関係の仕事をしていると自…

甘えを英語にすると。。。

みなさま、お元気ですか。 こちらは夏風邪をひいてしまい(南半球ですので)、一週間かなり苦しくてブログをお休みしてしまいました。。。。 オージーたちと仕事をしていると、えっそれぐらいで仕事休むの?とか、えっ自分のことは棚に上げて人のことに口出し…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-10

グレート・ギャッツビー 第二章-10 オレは人生で酔ったことは二回しかなく、二回目がその午後のことで、全てがぼんやりとしたモヤに覆われていた。それでも8時頃までは明るい日光がさんさんと部屋の中を照らしていた。トムの膝に座ってウイルソン夫人が電話…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-9

グレート・ギャッツビー 第二章-9 再びセントラパークを横切り、ウエスト・ハンドレッドを目指してオレ達の車は走っていった。 158番街の白くて長いケーキのようなアパートの一角でタクシーは止まった。実家に戻ったように近所をジロリと見渡すと、ウイルソ…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-8 キュートな子犬にお手上げ🤷‍♂️

グレート・ギャッツビー 第二章-8 「あの犬が一匹欲しいの」 彼女は熱心に言った。 「家に一匹欲しいのよ。飼うんなら、犬よね」 オレ達は、ロックフェラーにちょっと似ていて笑える白髪まじりのおじいさんのところまで車をバックさせた。 おじいさんが首か…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-7

グレート・ギャッツビー 第二章-7 それで、トム・ブキャナンと愛人とオレは一緒にニューヨークに向かった。と言いたいところだが、ウイルソン夫人は別の車両だった。イーストエッグの知人が乗っているかもしれないとトムは用心していた。 彼女は茶色のプリン…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-6

グレート・ギャッツビー 第二章-6 「会いたいんだ」 トムが熱を込めて言った。 「次の電車に乗ってくれ」 「わかったわ」 「下の新聞売り場で待ってる」 彼女がうなずくと、ジョージ・ウイルソンが事務所の入り口から二脚の椅子を運んできたのと入れ違いに離…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-5

グレート・ギャッツビー 第二章-5 ウイルソンの声がとぎれ、トムは落ち着きなくガレージを見渡した。そこで階段から足音が聞こえ、がっしりした女の影が事務所の灯りを遮った。その女は30代半ばで、小太りだったけど、一部の女がそうであるように一層色気が…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-4

グレート・ギャッツビー 第二章-4 オレはトムについて、低い白塗りの線路脇のフェンスを乗り越えると、エクルバーグ先生の瞬きもしない目が見つめる中、線路沿いに百ヤードほど歩いて戻った。見えるのは、ゴミ埋立地の端に建っている黄色の煉瓦造りの家並だ…

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-3

グレート・ギャッツビー 第二章-3 彼が愛人を作っていることは、彼を知っている連中の間で知れ渡っていた。愛人を連れて人気のレストランに入り、彼女をテーブルに残したまま店の中を歩き回り、誰彼ともなく話しかけたのが気に触ると言っていたヤツもいた。 …

グレート・ギャッツビー 対訳 第二章-2

グレート・ギャッツビー 第二章-2 でも、しばらくすると、灰色の土地や、その上を絶え間なく漂うホコリの上に、T・J・エクルバーグ先生の目があるのに気づく。エクルバーグ先生の目は青くてバカでかい。目玉は高さが1ヤードもある。その目は顔からではなく…