夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

星の王子さま ブログで読める新訳 XXVI-3


おうじさまはすわりこんだ。こわかったのだ。そして、またいった。
「わかるよね、ぼくのはなは・・・ぼくがまもってあげないと、いけないんだ。あのはなは、ほんとにかよわい!せかいをしらないんだ!やくにたたない4ほんのトゲで、じぶんのみをまもろうとしているんだよ・・・」
ぼくもすわった。もうたってはいられなかった。


「だから・・・これでおしまい・・・」
おうじさまはすこしまよっていたけど、おもいきって、たちあがってひとあしふみだした。ぼくはうごけなかった。
おうじさまのあしくびあたりに、チラッときいろいかげがみえたほかは、なにもみえなかった。
おうじさまは、じっとしていた。なにもこえをたてなかった。そして、ゆっくりと、きがたおれるみたいにたおれていった。すなのせいで、おともしなかった。