ピンクのカクテル グレート・ギャッツビー
グレート・ギャッツビーの文章は、緻密でせっかちで甘くてせつない。
色にたとえればすきとおった淡いももいろである。
フィッツジェラルドがこの文章を書いたのは20代のころだったといわれている。たしかにカーテンひとつをみてゆれうごく心を手に取るように描写するさまはわかさが可能にしたのかもしれない。
登場人物もわかいのだけれどもアメリカもわかかった。そしてゆきづまっていた。お金があっても人気があっても、幸せになりきれない。わかってくれる人がいない孤独感。夢がもてないさびしさ。ひとところへ落ち着くことができない不安。90年まえの話ではあっても、人間ってあまりかわっていないのではないかな。
グレート・ギャッツビーのアメリカでの版権は著者の家族がもっていて2021年まで継続するそうだ。わたしが住んでいるオーストラリアでは版権おちのあつかいになっている。たぶん日本もおなじだろう。でも、作品に敬意を表するいみから原文はのせないようにしようとおもう。