夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

クリスマスは飛行機で

今週のお題「クリスマス」

初めてシドニーに向かったのは、クリスマス直前だった。「どこの飛行機会社でいくの?」「Axxx」「えっ、オーストラリアなら、カンガルーのマークの飛行機会社でしょ?」「???」「ほんと、ちゃんとそれで行けるの?」「?@#@%???」
その友人の心優しい一言で、緊張は一気に高まったのである。

そして、、、Axxx(一応名前をふせておく、というか忘れてしまった)のカウンターに行くと乗客は驚くべき少なさだった。まったく状況が見えていなかったので、Axxxが何かわかっていなかったが、たぶん調度日本とオーストラリアの間のフライトを始めたところだったと思う。知名度が極端に低かったのだ。それから10年後に他社に買収されて消えてしまったように思う。

機内に入ると、私以外に二人の女の子しかいなかった。一人はオージーで日本でワーキングホリデーを終えて帰るところだった。もう一人は日本からの語学留学の子だった。するとフライトアテンダントが「こちらへ」といい、私たちをビジネスへ案内してくれた。そして、文字通り横になって寝れたのだった。

フライトアテンダントはとても親切で、いろいろ話しかけてくれ、緊張が一気にほぐれた・・・けれど、一人旅なので眠れなかった。そうしたら、一人のアテンダントが、「クリスマツツリーが見たい?」と聞いてきた。突然の禅問答はむずかしすぎてわからない。。。「Yes!」というと、ニコニコして、「こっちへいらっしゃい」ずんずん前のほうへ歩いていったので、夢中でついていった。小さな階段をあがり、中に入ると、なんとそこは、操縦室!!!うわーと息をのんだ。夜なので、薄暗がりで、最小限のライトしかついていなかった。薄暗い中に、大きなオージーに囲まれて、急に自分が小さく感じた。パイロットもニコニコしていて、「クリスマスツリーだよ」といって、スイッチを入れると、ほんと、右側の壁にオレンジや緑や赤や黄色のスイッチのライトがついたのだった。

心からお礼をいってそこを出た。今ふりかえるとフライト中のパイロットが、面識もない乗客をコクピットにいれるなんて考えられない話。でも、そこが、オージーなんだなぁ。