夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

グレート・ギャッツビー 第三章

グレート・ギャッツビー 対訳 第三章-5

グレート・ギャッツビー 第三章-5 突然、ジプシー女がオパール色の衣装をなびかせて、カクテルをひったくり、勢いよく飲み干して景気づけすると、フリスコダンスのように腕を振り回しながらキャンバス生地を張ったステージに一人で上がっていった。一瞬の静…

グレート・ギャッツビー 対訳 第三章-4

グレート・ギャッツビー 第三章-4 地球が傾きながら太陽から離れるに従って、灯りは輝きを増し、オーケストラは黄色いカクテル音楽を奏で、人声のオペラは一層高くなる。1分ごとに笑い声は出やすくなり、陽気な言葉に誘われて惜しげもなく辺りに撒き散らされ…

グレート・ギャッツビー 対訳 第三章-3

グレート・ギャッツビー 第三章-3 7時前にはオーケストラが到着した。5人楽団などのショボいんじゃなくて、オーボエ、トロンボーン、サキソフォン、各種の弦楽器、コルネット、ピッコロ、大小のドラムなどの楽隊席をいっぱいに塞ぐフルセットだ。最後の泳ぎ…

グレート・ギャッツビー 対訳 第三章-2 オードブルにカクテルはいかが?

グレート・ギャッツビー 第三章-2 毎週金曜日、5箱のオレンジとレモンがニューヨークの果物屋から届き、月曜日には、同じオレンジとレモンが半分に割られて皮だけになって裏口に積み上げられた。台所にはジュースマシンがあって、執事がボタンを親指で200回…

グレート・ギャッツビー 対訳 第三章-1 夏だ!ビーチだ!パーティーだ!

グレート・ギャッツビー 第三章-1 夏の夜は、隣家から音楽が絶えなかった。彼の青々とした庭では、飛び回る蛾のように男や女が、ささやき声をかき分け、シャンペンを掲げ、星々が照らす中を出たり入ったりしていた。午後の高潮時には、飛び込み台から客達が…