夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

感情を表す英語は難しい

“This is my message, as long as I live, I’ll teach not to hate.” The passing of Holocaust survivor Eddie Jaku OAM has left a huge void in the hearts of the Sydney Jewish Museum 'family'. Eddie’s impact, as the ‘happiest man on earth’ will be felt for generations to come.

 

どこかに行った、何をしたという行動を書き連ねた文章は翻訳しやすいけど、感情を表す表現は、言語によって違いが大きいので翻訳が難しくなりがち。

 

上記の英文は10月12日に、シドニーユダヤ人博物館に長年貢献されたエディ・ジャク氏逝去に寄せられたもの。「悲しい」という感情を "void" つまり「空虚さ」で表現している。心にぽっかり穴が空いたという感じだろうか。「多くの人の心に」ということで"hearts "が複数形になっていることにも注目。

「彼の影響はいく世代にわたって語り継がれるであろう」というのが自然な日本語だと思うけど、英語では"His impact will be felt for generations to come ".  動詞が "be felt" になっているところにも注目。日本語にとらわれていると出てこない。

 

OAMは Medal of the Order of Australia でオーストラリア叙勲受賞者のこと。