夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

星の王子さま ブログで読める新訳 VIII-2


そうしたあるあさ、ひのでといっしょに、ついにすがたをあらわした。ながいあいだ、したくにてまどっていたせいか、あくびをしていった。
「あぁ!まだねむいわ!ごめんなさいね。はなびらがちょっとみだれているわ・・・」


それでも、ちいなおうじさまは、うれしさをおさえることができなかった。
「あぁ!きみは、なんてうつくしいんだろう!」
「そうでしょう?」そのはなは、かわいらしくこたえた。
「おひさまが、かおをだすときにうまれたんですもの」
そのひとことで、そのはなが、まったくつつましやかなはなではないことにきづいた。でも、ほんとうにすばらしくきれいだったんだ!


「もう、あさごはんのじかんだとおもうの」
ひといきいれて、はながいった。
「もし、ごしんせつに、わたしのことをおもってくださるんでしたら・・・」
ちいさなおうじさまは、どぎまぎして、きれいなみずをあげるために、じょうろをさがしにいった。それから、おうじさまは、はなのせわをすることになったんだ。