夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

2012-12-06から1日間の記事一覧

星の王子さま ブログで読める新訳 VIII-2

そうしたあるあさ、ひのでといっしょに、ついにすがたをあらわした。ながいあいだ、したくにてまどっていたせいか、あくびをしていった。 「あぁ!まだねむいわ!ごめんなさいね。はなびらがちょっとみだれているわ・・・」 それでも、ちいなおうじさまは、…

星の王子さま ブログで読める新訳 VIII-1

しばらくして、このはなのことがもっとわかってきた。ちいさなおうじさまのほしには、つつましやかなはなしか、さかなかった。はなびらはひとえしかなくて、ばしょもとらず、だれのじゃまにもならなかった。あるあさ、くさのなかからすがたをあらわし、よる…

星の王子さま ブログで読める新訳 VII-2

よるになった。ぼくはどうぐをおいた。こんなときに、ハンマーやネジや、のどのかわきや、しぬことでさえも、「じゅうだい」だっていえる?たったひとつのぼくのほし、ちきゅうのうえに、なぐさめてほしいおうじさまがいるんだ。ぼくはおうじさまをだきあげ…

星の王子さま ブログで読める新訳 VII-1

いつかめに、いつものことだけど、またヒツジのおかげで、ちいさなおうじさまのなぞがとけた。 とつぜん、それまでだまっててずっとかんがえこんでいたみたいに、なんのまえぶれもなくきいてきた。 「ヒツジが、『ちいさなき』をたべるんなら、はなもたべる…

星の王子さま ブログで読める新訳 VI-1

あぁ、ちいさなおうじさま!おさないきみのなぞが、すこしずつとけてきた。ながいあいだ、おだやかなゆうひをみるのがたったひとつのたのしみだったんだね。 よっかめのあさ、きみがこういったとき、あたらしいことがわかった。 「ゆうひをみるのがだいすき…

星の王子さま ブログで読める新訳 V-3

だから、ちいさなおうじさまがはなしてくれたとおりに、そのほしをかいてみた。おせっかいやとみられるのはいやだけど、バオバブがどれだけあぶないか、みんなしらないから。それに、ちいさなほしでまよってしまったら、だれでもみんな、きをつけなければい…

星の王子さま ブログで読める新訳 V-2

「それが、まいちにやらなきゃいけないことなんだ」 あとでちいさなおうじさまはいった。 「あさ、みじたくをすませると、ほしのせわもちゃんとしなきゃだめなんだ。これがとてもだいじなことでね。バオバブはちいさいうちに、いつもぬいとかないと。はじめ…

星の王子さま ブログで読める新訳 V-1

ひがたつにつれて、はなしのはしばしから、ちいさなおうじさまのほしのこと、そこをはなれたこと、それからのぼうけんについてききだすことができた。いろんなことがはっきりしてくるのは、とてもゆっくりで、おうじさまのあたまにうかんでくるのを、じっと…

星の王子さま ブログで読める新訳 IV-3

でも、ものごとのいちばん「たいせつなこと」がよくわかっているぼくたちには、すうじなんてたいしてだいじなことじゃないよね。このはなしも、おとぎばなしみたいにはじめたらよかった。こんなふうに。「むかし、むかしあるところに、じぶんよりすこしおお…

星の王子さま ブログで読める新訳 IV-2

たしかなわけがあって、ちいさなおうじさまがすんでいたほしは、B−612だとおもう。このほしは、ぼうえんきょうでしかみることができない。1909ねんに、トルコのうちゅうはかせがはっけんしたんだ。 うちゅうはかせは、せかいうちゅうかいぎで、この…

星の王子さま ブログで読める新訳 IV-1

これがにばんめの、おおきなはっけんだった。ちいさなおうじさまがすんでいるほしは、ぼくたちのいえとそれほどかわらないおおきさだったんだ。でも、それはおどろくことには、あたらなかった。ちきゅう、もくせい、かせい、きんせいなどのなまえがある、お…

星の王子さま ブログで読める新訳 III-1

そのこがいったいどこからきたのか、なかなかわからなかった。ちいさなおうじさまは、きいてくるばかりで、ぼくがきいてもちっともこたえてくれなかった。それでも、ふとしたとたんにいったことから、だんだんそのこのことがわかってきた。 たとえば、はじめ…

星の王子さま ブログで読める新訳 II-3

これで、もうがまんできなくなった。エンジンをバラバラにするという、おおしごとがまっているんだから。 だからこのえをわたした。 そして、こういってみた。 「これはハコだよ。きみがたのんだヒツジはなかにいるよ」 すると、ちいさなえのしんさいんはニ…

星の王子さま ブログで読める新訳 II-2

ぼくはヒツジをかいたことがなかった。だから、まえにかいたことがある2まいのえのうちで、おおヘビのそとみのえをかいてみた。そしたら、そのこのいうことにおどろいたのなんのって。 「ちがうよ、ちがうよ!おおヘビにのまれたゾウがほしいなんていってな…

星の王子さま ブログで読める新訳 II-1

だから、はなしがあうひともいなくって、ひとりぼっちだった。6ねんまえ、サハラさばくでひこうきじこにあうまでは。エンジンのなかでなにかがこわれたんだ。しゅうりしてくれるひともいなければ、いっしょにのっているひともいなかった。ひとりで、むずかし…