夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

星の王子さま ブログで読める新訳 XVIII-1


ちいさなおうじさまは、さばくをわたってみたけれど、であえたのは、たったひとつのはなだけだった。3まいのはなびらのある、まったくつつましいはなだった。
「こんにちは」とおうじさまはいった。
「こんにちは」とはなは、こたえた。
「ひとをみかけませんでしたか?」ちいさなおうじさまは、ていねいにいった。
はなは、だいぶまえに、キャラバンがとおりかかるのをみかけたのだった。
「ひとですか?」はなは、くりかえした。「たぶん、6,7にんいるとおもいます。ずいぶんまえにみかけました。でも、どこにいるのか、だれもわからないでしょう。かぜにふきとばされてしまいました。ひとは、ねっこがないからたいへんですね」
「では、ごきんげんよう」とおうじさまはいった。
「ごきげんよう」とはなもいった。