夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

対訳 ベンジャミン・バトンの奇妙な実態 前書きTHE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON

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 皆さんこんにちは。お久しぶりです。

新しい連載を始めたいと思います。何を題材にするか迷いましたが、スコット・F・フィッツジェラルドの作品が大変気に入ったので彼の有名な作品である、The curious case of Benjamin Button にしました。

 

 

THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON.

 

ベンジャミン・バトンの奇妙な実態 前書き

 

この小説のタイトルをどう訳すか迷いますね。映画にもなりましたが「ベンジャミン・バトンの数奇な人生」というのが小説全体から見てタイトルにマッチしてるように思います。でも一応直訳しておきますね。”The curious case of...“と言うフレーズはフィッツジェラルドが初めてなのかは分かりませんが、小説のタイトルやテレビ番組のタイトルなどいろいろなところで使われています。

 

これはフィッツジェラルドが書いた前書きです。

 

This story was inspired by a remark of Mark Twain's to the effect that it was a pity that the best part of life came at the beginning and the worst part at the end. By trying the experiment upon only one man in a perfectly normal world I have scarcely given his idea a fair trial. Several weeks after completing it, I discovered an almost identical plot in Samuel Butler's "Note-books.”

 

この物語は、マーク・トウェインの「人生の最良の部分が最初に来て、最悪の部分が最後に来るのは残念至極だ」という言葉に触発されたものである。完全に正常な世界でたった一人の男に実験を試みる上で、彼のアイデアを公正に吟味する事はほとんどしなかった。作品が完成して数週間後、サミュエル・バトラーの "覚書抄 "の中に、ほぼ同じプロットを発見した。