夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

対訳ベンジャミン・バトンの奇妙な実態 前書き 続き THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON

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 この物語は昨年の夏、コリアーズに掲載されたのだが、シンシナティ市の匿名の崇拝者より驚くべき手紙を頂戴した。

 

謹啓

 

「コリアーズ」に掲載されたベンジャミン・バトンの物語を読ませていただきましたが、短編小説家として貴方は面白い奇人として名を馳せることでしょう。これまでに俗っぽい文章はたくさん見てきましたが、貴方が一番です。 貴方のために文房具を無駄にしたくはないのですが、筆を取りました。


The story was published in "Collier's" last summer and provoked this startling letter from an anonymous admirer in Cincinnati:

 

"Sir—

 

I have read the story Benjamin Button in Colliers and I wish to say that as a short story writer you would make a good lunatic I have seen many peices of cheese in my life but of all the peices of cheese I have ever seen you are the biggest

 peice. I hate to waste a peice of stationary on you but I will.”

 

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cheese をどう訳すかですが cheesy が「安っぽい」と言う意味なので「俗っぽい」としておきました。 それにしてもひどいコメントですね😄 フィッツジェラルドも喜んでいるわけではないでしょうから「手紙を頂戴した」などちょっと皮肉を込めてみました。