星の王子さま ブログで読める新訳 VII-2
よるになった。ぼくはどうぐをおいた。こんなときに、ハンマーやネジや、のどのかわきや、しぬことでさえも、「じゅうだい」だっていえる?たったひとつのぼくのほし、ちきゅうのうえに、なぐさめてほしいおうじさまがいるんだ。ぼくはおうじさまをだきあげて、やさしくゆすりながらいった。
「きみがしんぱいしてるはなは、だいじょうぶだよ。きみのヒツジには、はなをたべないようにくちわをかいてあげる。はなのまわりには、さくもかいてあげるから・・・」
おうじさまになんてこえをかけていいのかわからなかった。じぶんが、ぶきようでまぬけにおもえた。もういちどこころをかよわせるのに、どうしたらいいかのおもいつかなかった。
おうじさまは、なみだにぬれる、かなしみのくににかくれてしまっていたから。