夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

グレート・ギャッツビー 対訳 第六章-11

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グレート・ギャッツビー  第六章-11

 でも、その声音がギャッツビーを喜ばせたようで、トムはその夜はずっと「ポロの選手」のままだった。

「こんなにたくさんの有名人に会ったことがないわ!」 デイジーは叫んだ。「あの人が気に入ったわ。なんて名前の人だったけ?ちょっととりすました(blue nose)感じの」

 ギャッツビーは彼に気づき、それほど有名じゃないプロデューサーと付け加えた。

「とにかく面白かったな。ポロの選手と呼ばれたくはないがね」とトムは楽しそうに言った。「むしろこの有名人たちを眺めていたいね...人目につかない所からだな」

 デイジーとギャッツビーは踊った。優雅で所作が板についてる彼のフォックストロットに驚いたことを覚えてる。彼が踊るのを見たことがなかったんだ。それから二人はオレの家に向かって歩いて30分ほど階段に座っていた。その間、彼女の頼みでオレは庭で見張っていた。

「火事や洪水があった時とか」と彼女は説明した。「神様の試練があった時とかのためにね」

 夕食の席に座っていると人目につかない所にいたトムが現れた。

「こっちの人たちと一緒に食べてもいいか?」と聞いてきた。「ちょっと面白いことをしてる人がいて」

「どうぞ」と答えたデイジーはニッコリと付け加えた。「住所を書きとめたければ、わたしの小さな金の鉛筆を持っていってね. . .」 

 彼女はしばらくして辺りを見回してから、その女の子が「上品じゃないけど可愛い」と言った。彼女がギャッツビーと二人きりになれた30分を除くと、楽しんでないことが見て取れた。

 

But evidently the sound of it pleased Gatsby for Tom remained "the polo player" for the rest of the evening.

"I've never met so many celebrities!" Daisy exclaimed. "I liked that man--what was his name?--with the sort of blue nose."

Gatsby identified him, adding that he was a small producer.

"Well, I liked him anyhow."

"I'd a little rather not be the polo player," said Tom pleasantly, "I'd rather look at all these famous people in--in oblivion."

Daisy and Gatsby danced. I remember being surprised by his graceful, conservative fox-trot--I had never seen him dance before. Then they sauntered over to my house and sat on the steps for half an hour while at her request I remained watchfully in the garden: "In case there's a fire or a flood," she explained, "or any act of God."

Tom appeared from his oblivion as we were sitting down to supper together. "Do you mind if I eat with some people over here?" he said. "A fellow's getting off some funny stuff."

"Go ahead," answered Daisy genially, "And if you want to take down any addresses here's my little gold pencil. . . ." She looked around after a moment and told me the girl was "common but pretty," and I knew that except for the half hour she'd been alone with Gatsby she wasn't having a good time.

 

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デイジーが口では楽しいと言っているのでちょっと複雑だけど。。。実はパーティーの下品さに嫌気がさしている。blue nose の人が好きと言っているのは、上流階級でもないのにお高くとまっている人への皮肉だそう。なかなか手厳しい。。。デイジーを迎えたニックが落ち着かなくなったのは(ニックは急に落ち着きの悪さや底意地の悪さを感じて切なくなる)、イーストエッグに比べて品のないウエストエッグの雰囲気にデイジーが馴染まなかったから。

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