夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

グレート・ギャッツビー 対訳 第一章-13 新出発!

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グレート・ギャッツビー 第一章-13

 親父に遅れること25年にして1915年にニューヘイブン(イエール大学)を卒業して、それからすぐに世界大戦として知られる時代遅れのチュートン民族大移動に参加した。敵に仕返しするのは楽しかったので、地元に戻ると退屈極まりなかった。中西部は熱い世界の真ん中じゃなくて、今やボロボロになった全世界の端っこにしか見えなかった。だから東部に行って債権取引を覚えたいと思った。オレの知り合いはみんな債権取引をやっていたから、債権業界にはもう一人ぐらい食べていく余裕がありそうだった。叔父や叔母は進学先でも選ぶのかというノリでいろいろ話し合ってたけど、最後は真面目くさった顔でしぶしぶ「まぁ、いいだろう」と言ってくれた。親父も一年仕送りをしてくれると約束してくれたし、もろもろの事情で遅れたけど、1922年の春、東部に永住するつもりでやって来たんだ。


Chapter 1-13

I graduated from New Haven in 1915, just a quarter of a century after my father, and a little later I participated in that delayed Teutonic migration known as the Great War. I enjoyed the counter-raid so thoroughly that I came back restless. Instead of being the warm center of the world the middle-west now seemed like the ragged edge of the universe--so I decided to go east and learn the bond business. Everybody I knew was in the bond business so I supposed it could support one more single man. All my aunts and uncles talked it over as if they were choosing a prep-school for me and finally said, "Why--ye-es" with very grave, hesitant faces. Father agreed to finance me for a year and after various delays I came east, permanently, I thought, in the spring of twenty-two.

 

 

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delayed Teutonic migration

これはなんと訳すべきだろう?

「のろのろした」それとも「時代遅れの」?

Teutonic は?

どうも第一世界大戦中にドイツがフランスを侵略したことを delayed Teutonic migration と呼んだらしい。起きるべき時に起きなかったので。となるとチュートンは民族の名前だからそのままでよしとして、「時代遅れのチュートン民族の大移動」と訳そうか。

 

The bond business は証券業、債券業のどっちだろう。証券業は他の言い方があるんで債券業としておく。

ちなみに:

小川高義先生 証券

野崎孝先生 証券

橋本福夫先生 証券

大貫三郎先生 債権

 

証券圧勝! 大人気業界なんだもんね。やっぱり証券かなぁ。。。

 

Instead of being the warm center of the world the middle-west now seemed like the ragged edge of the universe

 

このworld universe の対比は、戦争から戻ってくると故郷が宇宙の片隅ぐらい小さく見えるという例えだろうか。でもthe universe で全世界とか森羅万象という意味もあるね。