夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

映画「華麗なるギャツビー」のテーマソングYoung and Beautiful を聞きながら翻訳のコツ

このブログに来ていただいてありがとうございます。

ギャッツビー を9割ほど訳し終えて、最後を駆け抜ける前に仕切り直しが必要とちょっと一息いれてるところです。

 

 

youtu.be

 

この小説を要約している映画のテーマソングをどうぞ。

この映画と原作と違うところ(の一つ)は、映画ではデイジーに心を残しながらギャッツビーが息絶えるんだけど、原作では自分の人生を振り返って達観しているところ。ギャッツビーは全てをやり切って新しい世界に旅立ったんだと思う。そこに「グレート」という形容詞が与えられているんじゃないかという気がしてます。

 

それにしてもなんでこんなに英文が難しいんだろう?

これが一つの文章です。全部続いてる😱

  I remember the fur coats of the girls returning from Miss This or That's and the chatter of frozen breath and the hands waving overhead as we caught sight of old acquaintances and the matchings of invitations: "Are you going to the Ordways'? the Herseys'? the Schultzes'?" and the long green tickets clasped tight in our gloved hands. (第九章ー10)

 

soraike123.hatenablog.com

 

I remember から始まるんで、ニックの回想シーン。

the fur coats of the girls returning from Miss This or That's

ぱっと見に、毛皮のコートを着た女の子がどっかから戻って来たといってるんだけど、日本語だと、思い出しているのはその行動を起こす「人間」、この場合だったら女の子を思い出すと書きたくなるところ。だけど、ニックが着目してるのは「毛皮のコート」の方なんだよね。Miss This or Thatというのは、作者が時々使うユニークな言い方で、詳細がよくわからないという事。「誰それ」とか○○さんとか、匿名みたいなぼんやりした感じ。

 

次はand the chatter of frozen breath

で、たぶん問題ないと思う。

 

問題はその次。

ここで切るところを間違えがち。

and the hands waving overhead as we caught sight of old acquaintances and the matchings of invitations: "Are you going to the Ordways'? the Herseys'? the Schultzes'?"

 

考えた末、これを一塊として訳すのが正しいと思う。

Matchings of invitationsの意味がとりかねて、時間がかかったけど、「あなたはどこに招かれたの?」と競争みたいに招待状を見せ合っているという状況だと思う。それに、「知った顔を見つけて頭の上で手を振る」というのを上に被せればこの長い文節はいけると思う。

 

こう見てくると、あとは一つだけ

and the long green tickets clasped tight in our gloved hands.

これは問題ないです。

 

これがわかったところで、全体をまとめて、座りのいい日本語にするのが簡単ではないのです。。。

難しい単語は無いのにこんなに複雑なのが不思議。