グレート・ギャッツビー 対訳 第一章-2
グレート・ギャッツビー 第一章-2
親父はそれ以上言わなかったけど、言葉にしなくてもいつも通じ合える仲だったんで、そこに言葉以上の深い意味がこめられているのを感じてた。だから親父の教えに従って、他人を色眼鏡で見るのをやめたら、おかしなヤツらがかなり寄って来たし、退屈を持て余してるヤツらの格好の餌食になったこともずいぶんあった。
Chapter 1-2
He didn't say any more but we've always been unusually communicative in a reserved way, and I understood that he meant a great deal more than that. In consequence I'm inclined to reserve all judgments, a habit that has opened up many curious natures to me and also made me the victim of not a few veteran bores.
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フィッツジェラルドは複数の文章をコンマでどんどんつなげていくスタイルをとっているので日本語になりにくいよね。でも、こんな英文を書けるって頭がいい。書いてるうちに次々と言葉が出てきたんだろう。
I'm inclined to reserve all judgments は、前に出たcriticizing をjudgments に言い換えてるだけで言いたいことは同じ。ここでは「他人を色眼鏡で見るのをやめてみた」としてみた。
a habit that has opened up many curious natures to me
A habit は以下に述べることが普通に起こるようになったってこと。
opened up many curious natures to me は自分の目の前でたくさんの興味深い性癖が展開されたという意味。つまり、変人がドヤドヤやってきたって感じかな。
and also made me the victim of not a few veteran bores.
Veteran はその道の達人。bores は退屈な人。退屈の達人の犠牲になった、つまり、退屈を持て余した人たちが、こいつなら変に思わずに話を聞いてくれると寄ってきたんだね。
お父さん、教えに従ったところ、あんまりいいことがないんですけど!