夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

グレート・ギャッツビー 対訳 第三章-19

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グレート・ギャッツビー 第三章-19

「失礼します」

 ギャッツビー  の執事が突然オレたちの前に現れた。

「ベイカー様ですよね?」

 彼が聞いてきた。

「失礼ですが、主人があなた様に個人的に会いたいと申しております」

「わたしにですって?」

 彼女は驚きの声を上げた。

「そうです。あなた様にです」

 彼女はゆるゆると立ち上がり、驚いたという風にオレに向かって目を見張って見せ、執事について屋敷の方に歩いていった。イブニングドレスを着ていようが、どんなドレスを着ていようが、まるでスポーツウエアを着こなしているように颯爽としていた。それは朝の清々しい張り詰めた空気の中で、初めてゴルフコースを歩いているかのようだった。

 オレはぼっちで、もう2時近かった。怪しげな声や気がかりな声が、時々テラスにせりだしているたくさんの窓がついた長く伸びた部屋から聞こえてきた。ジョーダンの連れの大学生は、今は二人のコーラスの女の子をなんとか引っかけようと必死に喋っていた。オレにも会話の中に入るように誘ったけど、断って屋敷の中に入った。

 

Chapter 3-19

"I beg your pardon."

Gatsby's butler was suddenly standing beside us.

"Miss Baker?" he inquired. "I beg your pardon but Mr. Gatsby would like to speak to you alone."

"With me?" she exclaimed in surprise.

"Yes, madame."

She got up slowly, raising her eyebrows at me in astonishment, and followed the butler toward the house. I noticed that she wore her evening dress, all her dresses, like sports clothes--there was a jauntiness about her movements as if she had first learned to walk upon golf courses on clean, crisp mornings.

 

I was alone and it was almost two. For some time confused and intriguing sounds had issued from a long many-windowed room which overhung the terrace. Eluding Jordan's undergraduate who was now engaged in an obstetrical conversation with two chorus girls, and who implored me to join him, I went inside.

 

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obstetricalは、産婦人科って意味だけど、大学生があんまり知らない女の子たちを相手に産婦人科の話をするだろうか?

小川高義先生は、「話題を生み出す」という風にとっておられた。

辞書を調べたけど、そういう意味はない。だけど、産婦人科は自分的にしっくりこないんで適当に訳しておいた。。。

もしかしたら、当時は産婦人科の話題がオシャレだったのかもしれないけど?