夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

2012-01-01から1年間の記事一覧

星の王子さま ブログで読める新訳 XVIII-1

ちいさなおうじさまは、さばくをわたってみたけれど、であえたのは、たったひとつのはなだけだった。3まいのはなびらのある、まったくつつましいはなだった。 「こんにちは」とおうじさまはいった。 「こんにちは」とはなは、こたえた。 「ひとをみかけませ…

星の王子さま ブログで読める新訳 XVI & XVII

そういうわけで、ななつめのほしは、ちきゅうだった。 ちきゅうは、ただのほしじゃなかった!あるひとが、かぞえたところによると、おうさまが111にん(アフリカのおうさまもちゃんとはいってます)、ちりのはかせが7せんにん、ビジネスマンが90まんに…

星の王子さま ブログで読める新訳 XV-1

むっつめのほしは、さっきのほしよりも、じゅうばいもおおきかった。そこには、あついほんをかいている、としとったはかせがすんでいた。 「おやおや!たんけんかがきたぞ!」ちいさなおうじさまがやってくるのをみると、はかせはいった。ちいさなおうじさま…

星の王子さま ブログで読める新訳 XIV-1

いつつめのほしは、とてもかわっていた。これまでみてきたなかで、いちばんちいさかった。あかりと、あかりとあかりとうばんで、もういっぱいになっていた。このうちゅうのなかで、だれもいない、いえもなんにもないほしに、なんであかりがあってあかりとう…

星の王子さま ブログで読める新訳 XIII-1

よっつめのほしには、ビジネスマンがすんでいた。このおとこはとてもいそがしくて、ちいさなおうじまがきても、あたまをあげようとはしなかった。 「こんにちは」おうじさまはあいさつした。「タバコのひがきえてますよ」 「3たす2は5。5たす7は12。…

星の王子さま ブログで読める新訳 XII-1

つぎのほしは、よっぱらいのほしだった。そこにいたじかんはみじかかったけど、ちいさなおうじさまは、とてもかなしくおもった。 「そこでなにをしているんですか?」 あきビンとあいていないビンのれつをまえに、すわっているよっぱらいに、おうじさまはき…

本とのであいのはじまり

あれはまだこどものころ、本をよみだしてまもなくのころです。 「せかいのいじん」というほんだったとおもいます。 人々のためにつくした人たちについての本です。 天然痘(てんねんとう)という病気とたたかい、種痘を発明したジェンナー、こどものころから…

星の王子さま ブログで読める新訳 XI-1

にばんめのほしには、うぬぼれやがすんでいた。 「ああ!またわたしの、すうはいしゃがやってきた!」 ちいさなおうじさまが、やってくるのがとおくにみえると、うぬぼれやがいった。うぬぼれやにとって、ひとはみんなすうはいしゃだった。 「こんにちは」 …

星の王子さま ブログで読める新訳 X-2

「すわってもいいですか?」 おうじさまはそっとたずねた。 「すわるようにめいずる」 おうさまはそうこたえて、いくえにもかさなったけがわを、おごそかにひきよせた。 でも、そこでおうじさまはかんがえた。このほしは、とてもちいさい。このおうさまは、…

星の王子さま ブログで読める新訳 X-1

ちいさなおうじさまは、ちかくにあるほし、325,326,327,328,329そして330にいってみた。あたらしいことを、まなぶためだ。 さいしょにいったほしは、王さまがすんでいた。ゆうがなむらさきのおりものと、しろいけがわにつつまれて、お…

星の王子さま ブログで読める新訳 IX-1

そのほしからたびだつために、ちいさなおうじさまは、わたりどりのむれをつかったんだとおもう。あるあさ、たびだちにそなえて、したくをかんぺきにととのえた。まず、かざんをねんいりにそうじした。もえているかざんは、ふたつあって、あさごはんをあたた…

星の王子さま ブログで読める新訳 VIII-4

「わたしは、つまらないクサなんかじゃないわ」はなはかわいらしくこたえた。 「ごめんなさい・・・」 「トラがきてもだいじょうぶ。でも、よるのくうきのつめたさがこたえるの。かぜよけを、たててくださらない?」 「つめたいよるのくうきがこたえるって、…

星の王子さま ブログで読める新訳 VIII-3

そのはなは、うぬぼれやさんで、すこしわがままだったから、おうじさまにつらくあたった。 たとえば、あるひ、4ほんのトゲをみせて、おうじさまにいった。 「ツメのあるトラがきたって、へいきよ」 「ぼくのほしには、トラなんかいないよ。それに、トラはつ…

星の王子さま ブログで読める新訳 VIII-2

そうしたあるあさ、ひのでといっしょに、ついにすがたをあらわした。ながいあいだ、したくにてまどっていたせいか、あくびをしていった。 「あぁ!まだねむいわ!ごめんなさいね。はなびらがちょっとみだれているわ・・・」 それでも、ちいなおうじさまは、…

星の王子さま ブログで読める新訳 VIII-1

しばらくして、このはなのことがもっとわかってきた。ちいさなおうじさまのほしには、つつましやかなはなしか、さかなかった。はなびらはひとえしかなくて、ばしょもとらず、だれのじゃまにもならなかった。あるあさ、くさのなかからすがたをあらわし、よる…

星の王子さま ブログで読める新訳 VII-2

よるになった。ぼくはどうぐをおいた。こんなときに、ハンマーやネジや、のどのかわきや、しぬことでさえも、「じゅうだい」だっていえる?たったひとつのぼくのほし、ちきゅうのうえに、なぐさめてほしいおうじさまがいるんだ。ぼくはおうじさまをだきあげ…

星の王子さま ブログで読める新訳 VII-1

いつかめに、いつものことだけど、またヒツジのおかげで、ちいさなおうじさまのなぞがとけた。 とつぜん、それまでだまっててずっとかんがえこんでいたみたいに、なんのまえぶれもなくきいてきた。 「ヒツジが、『ちいさなき』をたべるんなら、はなもたべる…

星の王子さま ブログで読める新訳 VI-1

あぁ、ちいさなおうじさま!おさないきみのなぞが、すこしずつとけてきた。ながいあいだ、おだやかなゆうひをみるのがたったひとつのたのしみだったんだね。 よっかめのあさ、きみがこういったとき、あたらしいことがわかった。 「ゆうひをみるのがだいすき…

星の王子さま ブログで読める新訳 V-3

だから、ちいさなおうじさまがはなしてくれたとおりに、そのほしをかいてみた。おせっかいやとみられるのはいやだけど、バオバブがどれだけあぶないか、みんなしらないから。それに、ちいさなほしでまよってしまったら、だれでもみんな、きをつけなければい…

星の王子さま ブログで読める新訳 V-2

「それが、まいちにやらなきゃいけないことなんだ」 あとでちいさなおうじさまはいった。 「あさ、みじたくをすませると、ほしのせわもちゃんとしなきゃだめなんだ。これがとてもだいじなことでね。バオバブはちいさいうちに、いつもぬいとかないと。はじめ…

星の王子さま ブログで読める新訳 V-1

ひがたつにつれて、はなしのはしばしから、ちいさなおうじさまのほしのこと、そこをはなれたこと、それからのぼうけんについてききだすことができた。いろんなことがはっきりしてくるのは、とてもゆっくりで、おうじさまのあたまにうかんでくるのを、じっと…

星の王子さま ブログで読める新訳 IV-3

でも、ものごとのいちばん「たいせつなこと」がよくわかっているぼくたちには、すうじなんてたいしてだいじなことじゃないよね。このはなしも、おとぎばなしみたいにはじめたらよかった。こんなふうに。「むかし、むかしあるところに、じぶんよりすこしおお…

星の王子さま ブログで読める新訳 IV-2

たしかなわけがあって、ちいさなおうじさまがすんでいたほしは、B−612だとおもう。このほしは、ぼうえんきょうでしかみることができない。1909ねんに、トルコのうちゅうはかせがはっけんしたんだ。 うちゅうはかせは、せかいうちゅうかいぎで、この…

星の王子さま ブログで読める新訳 IV-1

これがにばんめの、おおきなはっけんだった。ちいさなおうじさまがすんでいるほしは、ぼくたちのいえとそれほどかわらないおおきさだったんだ。でも、それはおどろくことには、あたらなかった。ちきゅう、もくせい、かせい、きんせいなどのなまえがある、お…

星の王子さま ブログで読める新訳 III-1

そのこがいったいどこからきたのか、なかなかわからなかった。ちいさなおうじさまは、きいてくるばかりで、ぼくがきいてもちっともこたえてくれなかった。それでも、ふとしたとたんにいったことから、だんだんそのこのことがわかってきた。 たとえば、はじめ…

星の王子さま ブログで読める新訳 II-3

これで、もうがまんできなくなった。エンジンをバラバラにするという、おおしごとがまっているんだから。 だからこのえをわたした。 そして、こういってみた。 「これはハコだよ。きみがたのんだヒツジはなかにいるよ」 すると、ちいさなえのしんさいんはニ…

星の王子さま ブログで読める新訳 II-2

ぼくはヒツジをかいたことがなかった。だから、まえにかいたことがある2まいのえのうちで、おおヘビのそとみのえをかいてみた。そしたら、そのこのいうことにおどろいたのなんのって。 「ちがうよ、ちがうよ!おおヘビにのまれたゾウがほしいなんていってな…

星の王子さま ブログで読める新訳 II-1

だから、はなしがあうひともいなくって、ひとりぼっちだった。6ねんまえ、サハラさばくでひこうきじこにあうまでは。エンジンのなかでなにかがこわれたんだ。しゅうりしてくれるひともいなければ、いっしょにのっているひともいなかった。ひとりで、むずかし…

星の王子さま ブログで読める新訳 I-3

「ぼくのえ、だいにごう」はこれです。 それから、おおヘビのそとみをかいたり、おなかのなかをかいたりするのはやめにして、しゃかいか、れきし、さんすう、こくごをべんきょうしたほうがいいと、おとなからいわれた。だから、6さいで、りっぱなえかきにな…

星の王子さま ブログで読める新訳 I-2

ぼくは、ジャングルのたんけんについてじっくりとかんがえてみた。それから、いろエンピツではじめてえをかいた。「ぼくのえ、だいいちごう」。 それがこれです。 ぼくは、けっさくをおとなにみせて、「どう、こわいでしょう」ときいてみた。すると、「こわ…