夕焼け色の記憶

翻訳した作品を中心に、オーストラリアから見て思ったことなどをつづっていきたいと思います。シドニー在住

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

Twitter bot始めました

Twitterで、ギャッツビー bot始めました。 あらすじがわかればの話かもしれないけど、botは読みやすいですよね。 もしよろしければ、のぞいてみてやってください。 @SoRaJune3 #ギャッツビー

グレート・ギャッツビー 第五章-8

グレート・ギャッツビー 第五章-8 彼は片時もデイジーから目を離さなかったし、家の中のすべてのものを、彼女の愛らしい目が示す反応具合で再評価していたと思う。時々、彼女がそばにいる現実を前にして、それ以外が現実ではないかのようにぼんやりと自分の…

グレート・ギャッツビー 翻訳 第五章-7

グレート・ギャッツビー 第五章-7 「ええ、いろんな仕事をしてきましたよ」 言い直してきた。 「薬の仕事もしたし、石油の仕事もしたし。でも今はどっちもやってないんです」 まじまじとオレを見た。 「先日の夜に提案したことを考えてもらえたんですか?」 …

グレート・ギャッツビー 翻訳 第五章-6 えっ、またウソ?🤔🙄🤔

グレート・ギャッツビー 第五章-6 オレは中に入った。入る前に、コンロをひっくり返さないように、台所で可能な限りの音を立ててみた。でも、二人には聞こえなかったんだろう。ソファの両端に座って、質問しているのか考え中なのか、お互いを見つめ合ってい…

グレート・ギャッツビー 第五章-5 家の秘密

グレート・ギャッツビー 第五章-5 オレは裏口から外に出た。緊張に耐えられず、30分ほど前に家を出て、家の周りを一周していたギャッツビーのように。豊かな葉っぱが雨避けになってくれる黒い節のある木まで走ってみた。雨が激しくなり、ギャッツビーの庭師…

グレート・ギャッツビー 第五章-4 意外に不器用なギャッツビー

グレート・ギャッツビー 第五章-4 ポケットに手を突っ込んだままでいるギャッツビーは、ムリして落ち着いてるように、あるいは退屈そうに見せながら、マントルピースに寄りかかってた。マントルピースにある止まったままの時計に当たるほど頭を反らせ、傍目…

グレート・ギャッツビー 第五章-3 ついに、憧れの人と再会🎉🎊🎉

グレート・ギャッツビー 第五章-3 無理強されたみたいに力なく椅子に倒れこんだ時、車の車道に乗り入れる音がして、オレたち二人は飛び上がった。胸をドキドキさせながら庭に出てみた。 雨滴が滴る、花のないライラックの木の下をくぐって、大きなオープンカ…

グレート・ギャッツビー 第五章-2

グレート・ギャッツビー 第五章-2 約束の日はひどい雨が降っていた。11時になると、レインコートを着た男が芝刈り機を引きずってきて玄関を叩き、ギャッツビー氏が草刈りに来させたと告げた。その時、朝仕事を終えたフィンランド人の家政婦に、後で戻ってく…

グレート・ギャッツビー 第五章-1

グレート・ギャッツビー 第五章-1 その夜、ウェストエッグに戻った時、一瞬、自分の家が火事になったのではと心配になった。2時だというのに、半島の一角が光に包まれ、低木の上に信じられないほどの光が降り注ぎ、道端の電線までもが光ってた。角を曲がると…

グレート・ギャッツビー 第四章-18 キスには心をこめて💋😘💋

グレート・ギャッツビー 第四章-18 ジョーダン・ベイカーの話がすっかり終わった頃には、プラザを出て30分ほど経っていて、ビクトリア(馬車)に乗ってセントラルパークを走ってた。西五十番街に住む映画俳優が所有する高層マンションの後ろに日が沈み、草の上…

グレート・ギャッツビー 第四章-17

グレート・ギャッツビー 第四章-17 「次の年の秋には、彼女はいつもの陽気さを取り戻してた。前より明るくなったかも。休戦後に社交界デビューして、2月にはニューオリンズの男性と婚約してたと思う。6月にはシカゴのトム・ブキャナンと結婚して、ルイスビル…

グレート・ギャッツビー 第四章-16

グレート・ギャッツビー 第四章-16 「その朝、彼女の家に通りかかったら、彼女の白いロードスターが縁石の横にあって、見たこともない中尉と一緒に座ってたの。二人はお互いに夢中になってて、5フィート離れたところに近づくまでわたしには気づかなかった。 …

グレート・ギャッツビー 第四章-15

グレート・ギャッツビー 第四章-15 「1917年の10月のある日......」 その日の午後、プラザホテルのティーガーデンで、背もたれの真っ直ぐな椅子に真っ直ぐに座ったジョーダン・ベイカーが話し始めた。 「わたしはある所に向かって歩いてたの。半分は歩道、半…

グレート・ギャッツビー 第四章-14 1919年の八百長試合

八百長ほんとだって sites.google.com グレート・ギャッツビー 第四章-14 完璧に信頼されてる当のご本人が戻ってきてテーブルに着くと、ウルフシェイム氏がコーヒーをガブリと飲んで立ち上がった。 「楽しい昼食じゃった。若いお二人の邪魔をせんよう、行く…

グレート・ギャッツビー 第四章-13 最高にキミ悪いカフス😱😱😱

グレート・ギャッツビー 第四章-13 「ねぇ、君」 ギャッツビー がオレの方に乗り出してきた。 「僕は車の中で君を少し怒らせたような気がするんですが」 あの微笑みだった。でも今回はオレも負けてはいられなかった。 「隠し事が嫌いなんです」 オレは言って…

グレート・ギャッツビー 第四章-12 昼食、おいしそう❤️

グレート・ギャッツビー 第四章-12 「ここはいいレストランじゃのう」とウルフシェイム氏は天井の長老派らしいニンフ像を見ながら言った。 「でも、ワシは通りの向こう側の方が好きなんじゃが!」 「そう、ハイボールを」 ギャッツビーはウエイターに同意し…

グレート・ギャッツビー 第四章-11 ヤクザの親分?

グレート・ギャッツビー 第四章-11 賑やかな正午。42番街にある扇風機がよく効いた地下室でギャッツビーと昼食のために待ち合わせた。外の明るい所から急に暗い所に入ったのでまばたきしていると、薄暗い控室で他の男と話しているギャッツビーを見つけた。 …

グレート・ギャッツビー 第四章-10 ニューヨーク🗽 ニューヨーク🗽

グレート・ギャッツビー 第四章-10 「わかったよ、君」 ギャッツビーはそう言ってスピードを落とした。そして財布から白いカードを取り出し、男の目の前でひらひらさせた。 「あなたでしたか」と警官は同意し、帽子を傾けた。 「今度はお邪魔しません、ギャ…

グレート・ギャッツビー 第四章-9 内緒バナシ🤫

グレート・ギャッツビー 第四章-9 「今日は君に大事なお願いがあるんです」と記念品を満足げにポケットに入れながら彼が言った。 「だから、僕のことを知っておいてほしいと思ったんです。ただのつまらない者とは思ってほしくないんで。僕はいつも見知らぬ人…

グレート・ギャッツビー 第四章-8  本物なの?🤔🤔🤔

ウイキペディアより モンテネグロの勲章 グレート・ギャッツビー 第四章-8 彼はポケットに手を伸ばし、リボンがかけられた金属片をオレの手のひらにのせた。 「モンテネグロのものです」 驚いたことに、それは本物のように見えた。 円形に、ダニーロ勲章、モ…

閑話休題

こちらに遊びにきていただいて大変にありがとうございます。 翻訳をしていて最近思ったことです。 soraike123.hatenablog.com グレート・ギャッツビー 第三章の最後の場面(第三章35)ですが、ジョーダンにサラッと告白されて主人公のニックがあせります。 そ…

グレート・ギャッツビー 第四章-7 怪しい自慢話

グレート・ギャッツビー 第四章-7 「中西部のどこですか?」 さりげなく聞いてみた。 「サンフランシスコです」(サンフランシスコは極西で中西部ではない) 「なるほど」 「家族は皆死んでしまい、僕は大金を相続したんです」 その声は、突然家族を全部亡くし…

グレート・ギャッツビー 第四章-6 壊れた信頼

グレート・ギャッツビー 第四章-6 この一ヶ月の間に何度か話をしたが、残念なことに彼は大した話題は持っていないことがわかった。だから何か意味不明な人物という第一印象は次第に薄れて、オレの中では手の込んだ隣の酒場の主人に過ぎなかった。 そして、気…

グレート・ギャッツビー 第四章-5  ギャッツビー のお誘い

グレート・ギャッツビー 第四章-5 夏になると、ギャッツビーの家にはこんな人たちが集まっていた。 7月下旬のある朝9時、ギャッツビーの豪華な車がデコボコの車道を駆け上がってオレの家の玄関先にたどり着き、3音階のクラクションを鳴り響かせた。オレは彼…

グレート・ギャッツビー 第四章-4 まだまだ変わった客人

グレート・ギャッツビー 第四章-4 ベニー・マクレナハンはいつも違う女の子を4人連れてやってくるのがお決まりだった。彼女たちは身体つきが全く違っていたのに、あまりにも似ているので、前にもそこに来たかのように思えた。彼女たちの名前は忘れてしまった…

グレート・ギャッツビー 第四章-3 ギャッツビー の客人 ウエストエッグ編

グレート・ギャッツビー 第四章-3 ウェストエッグからはポール夫妻、ムレディー夫妻、セシル・ローバック、セシル・ショーエン、州議会議員のグリック、映画審査会を牛耳っていたニュートン・オーキッド、エックハウスト、クライド・コーエン、ドン・S・シ…

グレート・ギャッツビー 第四章-2 客人リスト イーストエッグ編

グレート・ギャッツビー 第四章-2 イーストエッグからの来訪者は以下の通り。チェスター・ベッカー夫妻とリーチ夫妻。イェール大学でオレの知り合いになったバンセンという男。そして去年の夏、メイン州で溺死したウエブスター・シベット博士。ホーンビーム…

グレート・ギャッツビー 第四章-1 ギャッツビー の客人

グレート・ギャッツビー 第四章-1 日曜日の朝、教会の鐘が海岸沿いの村々に鳴り響く中、俗世間の男女がギャッツビーの家に戻り、彼の芝生の上を陽気に歩き回っていた。 「彼は酒の密売人よ」と言う若い娘たちは、ギャッツビーのカクテルと花の間をふらふらし…

グレート・ギャッツビー 第三章-35 恋の予感

グレート・ギャッツビー 第三章-35 太陽に照らされた灰色の目はまっすぐ前を見つめていたのに、関係を発展させようという意思を彼女から感じて、一瞬、彼女を愛しているような気になった。でも、オレは即決する方じゃないし、欲望にはブレーキをかけることに…

グレート・ギャッツビー 第三章-34 ジョーダンの本性暴かれる

グレート・ギャッツビー 第三章-34 ジョーダン・ベイカーは賢くて抜け目のない男を本能的に避けていた。今思えば、一定基準から外れることのない所にいる方が安全だったんだろう。彼女はどうしようもないほど不正直だった。不利になることが堪えられなかった…